小説「百年法」が面白い!不老不死が実現した社会を考えさせられる

小説「百年法」が面白くて一気読みでした。
不老となった社会がどうなって行くのか、どんな道が残されているのか。

色々と考えさせられる小説です。

不老不死の世界

小説の「百年法」を読みました。

Amazonの内容紹介だと、

不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならない――西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択は――!?

とあります。

不老不死が実現する世界を描いています。
厳密には不死ではなく事故や病気で死ぬことはあるのですが限りなく可能性が低くなる。
ただ、、、法律によって百年後に死ななければならない。

「法律によって百年後に死ななければいけない」と聞いただけで色々な問題が起こることが想像できますよね。

その色々な問題を描いた小説が百年法です。

※以下ネタバレあります。

 

 

法律によって死ぬことを決められる

不老不死と言っても厳密は不死ではありません。
不老処置を受けた時点で以後は肉体的な歳を取ることはない世界。

20歳で不老になればずっと20歳の若く健康で美しい肉体でいることができる。

なので病気になる可能性は極めて低いのです。
ただ事故や殺人により死ぬことはあります。
不死ではないのです。

面白いのは家族関係も解消できること。

不老なので介護が必要なく親子関係が必要ないと考えられるようになるらしい。
親が20歳で処置を受けたら20歳のまま。
子が30歳で処理を受ければ30歳のまま。
親子で見た目が逆転するなんてこともありえる。

ナンパしたら98歳だった、なんて描写も出てきます。

食糧問題も出てきません。
ユニオンという組織に加入すれば労働を条件に最低限の生活は保証してくれる社会ができています。

死ぬ時期がわかっていること

不死ではないとはいえ、不老ですから老衰で亡くなることはありません。
人口が増え続ける問題を対処するための法律が「百年法」です。
百年後に死ぬことを決められる。

自分がいつ死ぬのか(死を強制させられるのか)がわかるのはいいのか悪いのか。。

死後の対策ができるのはいいですよね。
突然死ではないので財産の整理や子供のケアなど対策ができます。
ただ、恐怖も大きい。
あと一年、あと一ヶ月、明日、、、となったら恐ろしい。。

「百年法」でも死にたくないと思う人が法律の施行を妨害します。

法律が必要だと言っていた官僚がいざ自分が死ぬ段になって免れようとする描写もあります。
大統領(小説では大統領が絶対的権力を持っている)に特例措置を受ければ百年たっても死ななくていい。
そんな制度までできてしまいます。

当然、生死を決めることができる大統領に誰もが従う、ご機嫌を伺うようになり、反抗できなくなる。

歪な社会ができるわけです。
百年法

不老処置=必ず死ぬ

終盤で判明するのが、不老処置を受けたものは不治のガンになること。

不老にはなるけどそのせいでどうやっても治すことができない致死率100%のガンになるという・・・。

しかもいつなるかわからない。
不老処置を受けた翌日かもしれない。
ただ統計的に十六年後にはすべての人が死ぬと。

ほぼすべての国民が不老処置を受けているわけなので、このままいけば日本は消滅します。
全員が不治のガンになるわけですから。

不老処置を受けるのは強制ではありません。
中には処置を受けていない人もいますのでその人は生き延びます。
(普通の人間なので病気などはあるわけですが)

老化人間と呼ばれた人が最終的には救われるわけです。

行く末を決めるのは国民

小説の中で何度か国民投票があります。
国民にどうするのかを決めさせると。

最初の国民投票は「百年法の実施について」です。
百年経ったら死ななくてはならない百年法を実施するのか凍結するのか。
このときは凍結されました。
死にたくないと考える国民が多く凍結。

最後の国民投票は全員が死ぬことがわかってから。
この国を残していくためにどうすべきかの投票。
百年法を凍結したときとは違って今後の日本を考えた結果となったのは興味深いです。

現実に起きたらこんな結末となるかはわかりませんが。。。

不老不死の世界は本当にいいのか

不老不死って色々なところで聞きます。
私が最初に聞いたのはドラゴンボールだったような気がします。

で、この不老不死がいいのかどうか。

「百年法」を読むと決していいことばかりではないと思わされます。
百年後に死ななければいけない百年法が凍結された後、自殺が続出したとか。
(もちろん小説の中の話です)

永遠に同じような生活が続く。

そのことに絶望した人が次々に自殺したと。。
何も目的がなくただなんとなく生きている生活が永遠に続くと思うと・・・・・。

いつかは死ぬからこそ今を一生懸命生きようと思えるのでしょうね。

「百年法」は色々なことを考えさせられる小説です。
未読の方はぜひ!

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【編集後記】
昨日は税務調査の相談。
その後に税務署にて調査結果の説明。
夜はいらない書類を整理。
気づくといつの間にかたまってしまいます。。

【イクメン日記】
マリオパーティが楽しく毎日ギャーギャーやってます。
まだしばらく楽しめそうです。

【一日一新】
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