SF小説「渚にて 人類最後の日」。最後の日が来ても後悔しない生活を送りたい

小説「渚にて 人類最後の日」を読みました。
その日一日を懸命に生きる必要性を感じました。

明日地球がなくなったら

よく「明日地球がなくなるとしたら」って聞きますよね。
最後に何したい?と。

私は特別何も浮かびません。。
普通に子供たちと過ごしていつもと変わらない日常で終わるのかなぁと。
美味しいものを食べるといっても・・・食べたいものが浮かびません。

明日終わるとわかっていても淡々と同じ日常を過ごして終わりそうです。

「渚にて 人類最後の日」

明日終わるとしたら、を考えさせられる小説を読みました。
「渚にて 人類最後の日」です。

第三次世界大戦が勃発し、世界各地で4700個以上の核爆弾が炸裂した。戦争は短期間に終結したが、北半球は濃密な放射能に覆われ、汚染された諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国の原潜〈スコーピオン〉は汚染帯を避けてメルボルンに退避してくる。オーストラリアはまだ無事だった。だが放射性物質は徐々に南下し、人類最後の日は刻々と近づいていた。そんななか、一縷の希望がもたらされた。合衆国のシアトルから途切れ途切れのモールス信号が届くのだ。生存者がいるのだろうか? 最後の望みを託され、〈スコーピオン〉は出航する……。読者に感動をもって迫る永遠の名作。

また戦争が勃発し核爆弾が4,700個以上使われ、北半球は死滅状態。
南半球にも徐々に放射能がせまっている。
オーストラリアに最後の人類が残っていて、、、という話です。

※ネタバレあります。

 

放射能が徐々に迫り確実に死を迎える設定です。
読み始めは潜水艦で調査に行く描写があったので何かすごい発見をして助かる、みたいな話かと思いました。
全然ちがいました。

結局、放射能を食い止められずそのまま全員・・・。

北半球が滅亡し残ったオーストラリアを中心に話が進みます。
放射能がせまるなか少しずつ国が消えていくさまが描かれています。

印象的だったのは、悪人がやりたい放題ではなく日常と変わらない生活をしていることです。
スーパーカーをかってレースにでる夢を叶えた人もいますが、基本的に普通の生活をしている。

これが読んでいてちょっと違和感がありました。

このままでは確実に死ぬわけですからもっと必死になんとかしようとする描写があってもいいのでは、と。
必死に何とかしようとしてないんです。
淡々と日常生活が書かれているのでもっと焦ったり、手を考えるべきじゃないのかと読み手側が考えさせられます。

小さい子供がいる夫婦が庭の置物をどうするか、子供が大きくなったら・・なんて会話もあります。
何もしなければ死を待つだけなのに。

後悔しない日々を

結局、放射能に覆われて全員死を迎える。

読後しばらくはモヤモヤが残りました。
何を言いたい小説だったんだろうと。。
バッドエンドじゃないかと。

しばらくモヤモヤしていましたが、結局のところ普段と変わらない日常生活が幸せなんだなと気づきました。

終わりが来るからと悲観になるのでははく、日々変わらず精一杯生きている。
最後だからと自棄にならず今後もずっと続いくものとして日々をしっかり過ごしている。
ただ、ところどころで狂っているところも見えます。

生存者がいるはずのないアメリカに残してきた妻に会うつもりでいたり、
生まれてきた赤ちゃんが変な病気にならないか心配したり、
酒浸りになってしまっていたり、
などなど。

これから確実に来る死を受け入れられないでいる葛藤もあるのかなと感じました。

個人的には、暴動が起こって放射能の前に自滅・・・みたいな展開が最近は多いかなと感じていたのでその中で異色な感じの作品でした。

まとまりのない記事になってしまいましたが、、、
最後の日がわかっても慌てることなく後悔しない日々を過ごしたいな、と感じさせる小説でした。

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【編集後記】
昨日は確定申告と執筆を。
この時期は作業が続きます。
息抜きにカフェに行く日々です。

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学校や保育園で作った作品を次々に持ち帰ってきています。
どんなものを作ったのか楽しみにしています。
が、保管が大変・・・・。

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