小説「ルビンの壺が割れた」が面白いけど気持ち悪い

小説「ルビンの壺が割れた」を読みました。
どんな展開になるのかと思いきや・・・・楽しめました。

ルビンの壺が割れた

小説「ルビンの壺が割れた」を読みました。
ルビンの壺は多義図形です。見方によって壺に見えたり人の顔に見えたりするあれです。
一度は見たことがあるでしょう。

「ルビンの壺が割れた」の表紙を見れば「あの図か」とわかるでしょうね。

著者の宿野かほるは聞いたことがなく、タイトルに惹かれたこともあり読んでみました。

新しい形

ルビンの壺が割れたは最初から最後まで二人のFacebookのメッセージのやり取りが続きます。
Facebookのやり取りを読まされているのです。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」
――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。

Facebookで昔の婚約者を発見して思わずメッセージを送った、と。
ありがちな展開ですね。

最初は「昔が懐かしい」といった展開の話なのですが、徐々に雲行きが怪しくなっていきます。
学生時代、演劇を頑張っていた思い出話などをしているのですが所々で「ん?」と思わせる箇所も。。。

最初に「ん?」と感じるのは、結婚式当日に花嫁側が来なかったこと。
そこから30年間音信不通。
30年後にFacebookでたまたま?花嫁を発見してメッセージを送り、といった展開。

いったい何があったのか? がわからないまま話が続きます。

徐々に徐々に話がおかしい方向に向かっていきます。
最初は結婚式当日に式場に現れず姿を消した花嫁が悪いような印象を持ちますが、読み進めていくと様子がおかしくなります。

SNSで偶然再会した男女。ぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。前代未聞の読書体験を味わえる、衝撃の問題作!

おかしいのは花嫁側ではなく・・・。
なぜ結婚式当日に姿を消したのか、なぜ30年の月日が流れてしまったのか、なぜ連絡をしてきたのか、がわかると気持ち悪さしかありません。

「日本一の大どんでん返し」とありますがちょっと言い過ぎかなと感じます。
確かに最後はビックリしましたが。
大どんでん返しかというと微妙ですが、別の作品も読んでみたいなと感じました。

未読の方はぜひ。

→ ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

 

【編集後記】
昨日は雑誌記事の執筆打ち合わせ。
以前単行本でお世話になった編集者さんと。
その後はヨドバシカメラで色々見て回りました。

【イクメン日記】
二人とも学校であった楽しかったこと、嬉しかったこと、嫌なことなど色々話をしてくれます。
話をしてくれるうちはしっかり聞いておきたいですね。
そのうちこちらから聞いても何も言わなくなるでしょうから。。。

【一日一新】
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