ホラー小説「デス・ネイル」は間接的な怖さがある。やっぱり怖いのは人間

ホラー小説の「デス・ネイル」を読みました。
ちょっと強引かなと感じる部分もありますが全体的にはよかったです。

四つの短編集

相変わらずホラー小説を少しずつ読んでいます。
最近読んでよかったかなと思うのは「デス・ネイル」です。
四編の話が収録されていてそのうちの一つのタイトルがそのまま本のタイトルになっています。

  • デス・ネイル
  • 幸運を呼ぶ魚
  • 月の川
  • 感光タクシー

の4つ。
どれも非現実的な話です。
ホラーは幽霊系なんかも多く非現実的なのは仕方ないかなと。

 

※以下ネタバレあります。

 

デス・ネイル

ホラーとして考えると四つのなかで一番面白かったです。

ネイリストを目指す奈々子はボランティアで老人ホームを訪れ、かつ江という老婦人の爪を美しくマニキュアした。数週間後、かつ江が亡くなったという知らせとともに、遺品の眼鏡が奈々子のもとに届けられる。奈々子がその眼鏡をかけると不思議な映像が見え、奈々子を窮地から救い、導いてくれた。かつ江の眼鏡を武器に、一躍カリスマネイリストへの道を歩み始めた奈々子だったが……。

修行中のネイリストが成りあがっていくうちに不思議な病気に感染して、の話。
その病気がデス・ネイル(死の爪)。

こんな病気があったら恐ろしいなと思いますが、本当に怖いのは人間なんだなと感じました。
修行中のときは謙虚にお客様のこと・ネイルのことだけを考えていたのに実績をかわれて経営者の立場になると利益を求めてしまう。
結果、人望を失う。

デス・ネイルに感染しても周りの人間が協力してくれれば助かる可能性もありました。
実際に主人公は病気の子を治してあげたこともあります。(それが原因で感染した)
が、人望を失っているので誰も助けてくれない・・・。
本当の怖さはここかなと。

途中で得体のしれない病気に接したときにこんな反応??と疑問に感じるところもありましたが、全体としては面白かったです。

途中でちょっとグロさもあります。
デスネイルの画像

幸運を呼ぶ魚

アロワナの不思議な話。
アロワナに願えば願いが叶うとか、アロワナにしたことと同じことが起こる、アロワナが不幸を吸い取ってくれるなどなど。

とにかくアロワナ中心。

小学校受験合格をアロワナに祈願、不合格、不幸が重なりアロワナのせいだと怒り、アロワナを切り刻む。
アロワナにしたこと(切り刻む)が自分にも・・・と。

これでも恐ろしいのですが、もっと怖いと思ったのは受験失敗による家庭崩壊。。
「なぜあの子が合格してウチの子が不合格」「あの子がいなくなれば繰り上がりで合格できるかも」このような思考が本当に起こりそうで怖い。

小説では「あの子がいなくなれば」と考えるのは間違いだったと気づきますが現実には本当にありそうで怖い。。
ウチは小学受験はしませんが中学受験はありえるかもしれない。
この点は気を付けたいですね。
(気を付けていてどうにかなるものではないかもしれませんが)

月の川

この話はまったく好きになれませんでした。
美しい女性に何かの動物が憑依して・・・。

オチはそうくるか、と意外性もありましたがホラーとして考えると微妙。。

個人的にはイマイチ。

感光タクシー

ホラーですが良い話です。

過去に京都で死んでしまった子供たちが今もその地に幽霊として出る。
観光したいと思っている幽霊たちに実際に観光させてあげよう、、、という話。
憎まれ口をたたき嫌われるような言動をしても本当は逆で、と。

文章がほかの三編と違う感じで進みますので最初はなんとなく読みにくい。
読み進めていくうちに「ああそういうことか」とわかってきます。

幽霊の話ですが怖い話ではないです。

まとめ

デス・ネイルと幸運を呼ぶ魚は面白かったです。
それぞれ二つの怖さがあります。
病気と人間、魚と人間。

やはり怖いのは人間なのかと。

未読の方は是非読んでみてください。

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【編集後記】
昨日は税務調査の相談。
その後に設立登記のため法務局に。
噂と違い?新設な対応で助かりました。

【イクメン日記】
こんなに暑いのに公園に行きたがり・・。
近くに公園がありますがさすがに遊んでいる子はほとんどいません。
涼しくなるまで公園はだめですね。。

【一日一新】
さいたま地方法務局