小説「今だけのあの子」読了。嫌な話かと思いきや最後は全部いい話

小説「今だけのあの子」を読みました。
すべて嫌な話なのかと思いきやそうではありませんでした。

今だけのあの子

少し前から芦沢央が好きで続けて読んでいます。
火のないところに煙は、許されようとは思いません、で好きになりそのほかの作品も読み進めています。
神の悪手のサイン本も買いました。

今回読んだのは「今だけのあの子」です。
2014年の本です。
この記事を書いているのが2021年なので7年前。

傑作ミステリ短篇集全5篇

とあるように5つの話があります。

  • 届かない招待状
  • 帰らない理由
  • 答えない子ども
  • 願わない少女
  • 正しくない言葉

の5つ。

嫌な話かと思いきや

冒頭からしていきなり「嫌な話かな」と思わせてくれます。

仲のいい女性グループで自分ひとりだけ結婚式の招待状が届かないと。

もうこれだけで嫌な感じがしますよね。
新婦とは一番の親友だった、呼ばれてもいない結婚式に出席しようとする、夫にその新婦からの連絡が来ている、など何か起こりそうな予感しかしません。

結婚おめでとう、メッセージカードを書く手が震える。大学時代、新婦とは一番の親友だった。けれど恵には招待状が届いていない。たった6人しかいない同じグループの女子の中で、どうして私だけ線引きされたのか。呼ばれてもいない結婚式に出席しようとする恵の運命、そして新婦の真意とは(「届かない招待状」)。

親友だからこそ呼ばなかった理由がある。
新婦が入場してきたときに隣に立っている男性が自分が良く知る顔で・・・。

最後は良い話で終わりましたと。

好きなのは「答えない子ども」です。
親の期待に応えようとする子供。
自分も同じようなことをしているんじゃないかと思ってちょっと心配にもなりました。

親が期待するような絵を描くことができず自分で破いてしまう。
それを言えずにいる。
遊びに行った家で友達が破いて捨てたと思われてしまっている。

親に怒られる、親の期待に応えられない、親ががっかりする。
自分の子もそう思ってしまっているかもしれないと思うとある意味で怖いと感じてしまいました。

「答えない子ども」では親同士でちょっと諍いがありますけど、最後は良い友人になれそうで終わり。

「あなたの子供がうちの子の絵を破った」なんて言ったら現実だともう修復できなそうですが。

どの話も嫌な展開になりそうで最後は良い話になる。
いつもホラー小説ばかり読んでいるのでこの展開は新鮮でした。

未読の方はぜひ読んでみてください。

→ 今だけのあの子

 

【編集後記】
昨日は月次処理などを。
その後は執筆などを中心に。
夕方に子供たちの算盤、待っている間にブログ。

【イクメン日記】
二人とも伝えたことをすぐ忘れてしまうので困ります。
「片付けて」と伝えて返事もしているのに忘れたり。
何か別のことに気を取られているとすぐ忘れてしまい・・。

【一日一新】
ウィルソン グリップテープ