小説「解体諸因」が面白い。ホラーじゃなくミステリ

小説「解体諸因」を読みました。
なぜバラバラにするのか?

楽しめました。

解体諸因

小説「解体諸因」を読みました。
著者は西澤保彦です。
小説はちょくちょく読んでいるつもりですがこの著者の作品ははじめて読みました。

表紙やタイトルの「解体諸因」からして何となくホラーを連想させますよね。
それなのに今まで読んでいなかったのは自分でも驚きました。

すべての謎は死体から始まった。6つの箱に分けられた男。7つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。エレベーターで16秒間に解体されたOL。34個に切り刻まれた主婦。トリックのかぎりを尽くした9つのバラバラ殺人事件にニューヒーロー・匠千暁(たくみちあき)が挑む傑作短編集。新本格推理に大きな衝撃を与えた西澤ミステリー。

ミステリーとありますようにホラーではないですね。
タイトルの解体は死体のこと。

短編集でいくつかの話がありますがすべてに共通しているのが「解体」です。
つまりバラバラ。

謎を解いていく

ミステリーなので謎があるのは当然なのですけど「解体諸因」は謎解きの要素がより強いです。
謎を解くことをメインにしている話なので読者が自分で考えずとも話が進みます。

34個に刻まれたり、7つの首が順番に・・、箱に分けられたり、エレベーターで16秒間に解体された女性とか。

すべて「解体」されています。

エレベーターの話は冒頭だけ読むとホントにどんなトリックなのかと不思議に感じます。
上階から乗った女性が1階に着くまでにバラバラに解体され死んでいた。
その間、エレベーターは途中の階で止まらず誰も乗り降りしていない。たった16秒間でどうやって解体したのか?
ネタがわかればなんてことないのですけどね。

成人雑誌を大量に買い込んだ女性。
その成人雑誌をどのように使うのか?何のために大量に買ったのか?を真面目に考察する話などもあります。

解体諸因」のいいところはすべてがバラバラ殺人なのに暗さ・重さがないところです。

ホラー小説が好きで色々読んでいますけど殺人事件が起こるとどうしても作中では暗い方向に向かってしまいます。
「解体諸因」は不思議とそれがありません。

ホラーが苦手でも純粋にミステリーとして楽しめるでしょう。
未読の方はぜひ。

→ 解体諸因 (講談社文庫)

 

【編集後記】
昨日は決算、税務調査準備。
夕方に子供たちの算盤。
待ち時間にブログや執筆を。

【イクメン日記】
次男は急にオヤジギャグを言うことがあります。
ビックリするくらい古いことを言うことも。
スーパーマリオくんの影響。

【一日一新】
リステリン クリーンミント