小説「僕の神さま」を読みました。
違和感ありながらも楽しめました。
本当に小学生なのか?と感じるところもあれば小学生だからかと思うところも。
芦沢央
小説「僕の神さま」を読みました。
最近は芦沢央が好きになって続けて作品を読んでいます。
今までまったく興味なかったのにサイン本も買ってしまったほどです。
芦沢央はいくつか読んでいてどれも好きです。
- 罪の余白
- 火のないところに煙は
- 汚れた手をそこで拭かない
- 許されようとは思いません
- 悪いものが、来ませんように
- バックステージ
を読みました。
今回の「僕の神さま」も楽しめました。
違和感ある
「僕の神さま」も楽しめたのですが、なんとも言えない違和感がずっとありました。
まず一番の違和感は「神さま」と思うような友達がいること。
神さまだと思えるような友達がいることもあるのかもしれませんけど、私自身は神さまだと思うような友達はいませんでした。
「すごいなぁ」と思う友達はいますけど「神さま」とまでは思わない。
なんでも問題を解決してくれそうな友達もいましたけど「神さま」とまでは思えない。
「あの子が間違えるはずがない」「あの子は絶対に正しい」なんて思えるような友達はいませんでした。
そこが一番の違和感ですね。
「僕の神さま」ではものすごい名探偵みたいな小学生が出てきて、その子を「神さま」だと思っています。
僕たちは何かトラブルが起きると、同級生の水谷くんに相談する。例えば友だちから意地悪されたら、運動会で出たくない競技があったら、弟が迷子になっても……。学校中のみんなから頼りにされる名探偵。彼が導き出す答えに決して間違いはない。だって水谷くんは「神さま」だから。
頭のいい子、要領のいい子、はいると思いますけど「神さま」とまで思える子が出て来るところで違和感。
それぞれの話のギャップが
「僕の神さま」は短編集です。
短編集ではありますけどそれぞれつながっているような感じ。
それぞれの短編で話のギャップがすごいなと感じました。
最初の話は亡くなった祖母が作ったお茶を間違えてダメにしてしまい、祖父にバレないように何とか作り直そうという話。
どうすればいいかを「神さま」に相談する。
なんてことない話ですが、桜の代わりにつかったアーモンドは実はおじいちゃんがアレルギーがあり・・・それに神さまが気づいて何事もなく、といった話。
そんな話が最初にあるかと思えば、パチンコ狂いの父に虐待されている子の話も。
夏休み直前、僕と水谷君は同じクラスの川上さんからある相談を受ける、その内容は意外なものだった……。小学生の日常で起きた「悲劇」が胸をえぐる、切なく残酷な連作ミステリー。
同じクラスの子から相談を受け、父のパチンコ通いをやめさせたいと。
話を聞いていくと父から虐待を受けていることがわかり・・・どうやらその子が父に殺されたという噂もでてきて・・・。
急に話が重くなりそこでも違和感が。
最初は祖父にバレないように祖母の味を作ろうという話だったのが急に重い展開になってきます。
小学生らしさも
すごい「神さま」ですけどやはり小学生だなと感じるところもあって安心します。
読んでいて「もっとこうすれば」と感じるところがちらほらと。
そこは小学生だからなのでしょうね。
特に最後のところでは強く感じました。
まだ小学生だから一緒に・・と。
ちょっと違和感はありましたけど楽しめました。
未読の方はぜひ。
→ 僕の神さま
【編集後記】
紙の本を買うようになって今まで以上に書店に行くのが楽しくなりました。
あまり興味のなかった文芸書コーナーを時間かけてみています。
お店によって本の並べ方の違いがあって楽しいですね。
【イクメン日記】
ようやく次男も算盤の検定を受けられるくらいになったようです。
せっかくやるならもっと本格的にやった方がいいのでしょうね。
嫌がってはいないのでもう少し続けてもらいます。
【一日一新】
ジャズリンゴ