社会保険料の節約は本当にいいことか?税金とは違って節約すればいいとは限らない。従業員を不幸にしないようにしましょう。

先日、クライアントから社会保険事務所からの呼び出しの書類が届いたという連絡がありました。
社長1人だけの会社で今まで会社では社会保険に加入していませんでした。
先月に、「国税庁が把握している給与データを社会保険加入に生かす」という報道がありました。
今回の呼び出しはこの関係かもしれません。
2014-08-26 19.14.48

社会保険料を節約する方法はいくつかある

社会保険料の支払いは大変です。
どうにか減らせないか? という相談を受けることがあります。

社会保険料の節約方法はいくつかあります。
下記に節約方法を記しますが、決して推奨しているわけではありません。

・社員の入社日や退社日を考える。
基本的に月末に在籍しないようにすればいいのです。
【8月26日入社 を 9月1日入社】
【8月31日退社 を 8月30日退社】
これで節約できます。

・4月から6月までの給与を低くする
社会保険料は4月から6月までの給料の平均を基に算定して9月から改定されます。
よって、4月から6月までの給与を低くすれば社会保険料も低くなります。
残業代を減らす、などが有効です。

・昇給を7月にする
上記のように4月から6月までの給与で社会保険料が算定されますので、
昇給は7月にする。

・賞与や給与の一部を退職金にする
退職金には社会保険料がかかりません。
退職金は税金も優遇されています。

・会社を2つ作り給与を2つの会社から分けて支払う
1つの会社で社会保険に加入して少ない給与を支払う。
もう1つの会社から残りの給与を支払う。

・社員を請負契約にする
給与ではなく外注にすれば社会保険はかかりません。
でも、本当に外注なのか・実態は給与ではないのか・という問題が起こります。

以上、主なものを挙げてみました。

社会保険料の節約は会社にとってはいいことだが従業員にとってはよくないこと

上記のような社会保険料の節約は会社にとっては負担が減るからいいことです。

でも、従業員にとってはどうでしょうか?

4月から6月の給与を下げられたら生活は大丈夫か?
給与や賞与を退職金に回されたら日々の生活は大丈夫か?
請負契約にされたら確定申告しなければいけない。
そもそも、将来もらえる年金が減ってしまう。

同じ給料をもらっているのに将来もらえる年金が減ってしまってはよくないでしょう。
本当にもらえるのか?という不安はありますが、破たんすることはないと思います。

税金の節約はいいです。
余ったお金で給与を増やしたり、設備投資したりできます。
お金を従業員と会社のために使うことができます。

社会保険料の節約は従業員にしわ寄せがいくこともあります。
このことを十分に考えた上で節約しましょう。
従業員を不幸にしてしまっては元も子もないですから。

【編集後記】
今日は午後から事務所へ。
午後からだと気持ちが緩んでしまいますね。
仕事モードへの切り替えをしっかりしないと。

【イクメン日記】
長男の幼稚園をそろそろ決めないといけません。
一方は長男がすごく好きな先生がいるが、親が参加する行事が多い。
一方は行事が少ない。
親としては行事が少ない方がいいけど、長男が好きなところにも行かせてあげたい。
悩ましいです。。。

 

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